ピクティスト検定(ピッ検)/解説編

さて、あなたは何問正解できただろうか。
ピクティスト何級だっただろうか。
正解できた問いも含めて、
以下の解説をよく読んで
より深い理解に役立ててほしい。


■問1.
下のピクトさんの分類名として
「適切ではないもの」を選びなさい。



正解:(3)ヒール靴系

■解説:
ピクトさんの分類は2006年5月現在で12分類あり、
これに「バンザイ系」「やる気のないピクトさん」
などの特別分類も加わる。
出題されているピクトさんは「機械系」であり、
かつ「バンザイ系」であると解釈できる。

このように、一人のピクトさんが
複数の分類にまたがる場合がある、
ということを覚えておこう。
例えば「地味〜にイヤな目に遭ってる系」と
「精神的ダメージ系」が重複することなどは、よくある。

また、今回「適切ではない」とした「ヒール靴系」だが、
これは現在までにこのような分類が
されたことがないというだけの理由によるもので、
もしも今後、ヒール靴を履いたピクトさんが
5人も10人も集まっていけば、
新たに「ヒール靴系」という分類が誕生するかもしれない。

このようにピクトさんの分類とは、有機的かつ
適当かつ会長の独断的なものなのである。


■問2.
これは、ある「ご当地ピクトさん」です。
どこにいらっしゃるピクトさんでしょう。



正解:(2)名古屋

■解説:
ピクトさん学の楽しみの一つに
「ご当地ピクトさん」の発見がある。
その土地の文化に根ざしたピクトさんの姿の面白さ、
そして「ここでしか見られない」という限定感も相まって、
見つけた時の喜びはかなり大きい。

出題したピクトさんは名古屋城内のもので、
「金のシャチホコ」のしっぽのレプリカで
頭を打っている様子である。
名古屋城のサイトにシャチホコの写真が載っているので
参考までにご覧いただきたい。

http://www.nagoyajo.naka.nagoya.jp/donjon/ten5.html

「青空を背景に、金鯱にまたがって記念撮影をどうぞ」
などと書いてある。
そんなことをするからしっぽで頭を打つのだ。

他にもこのようなご当地ピクトさんがいる。


 
四国の「お遍路ピクトさん」である。
また、海外各国のピクトさんも
広い意味での「ご当地ピクトさん」と言っていいだろう。


■問3.
日本ピクトさん学会にはこれまでに20ヶ国以上の
海外ピクトさんが寄せられていますが、2006年5月現在、
まだピクトさんが確認されていない国はどこでしょう。



正解:(3)ウクライナ

■解説:
これまでに日本ピクトさん学会に寄せられた
海外ピクトさんの国名は以下の通り。

日本
韓国
中国
台湾
タイ
ジャマイカ
スリランカ
アメリカ
(ハワイ含む)
フランス
ドイツ
オーストリア
スロバキア
イタリア
ベルギー
ドイツ
オランダ
イギリス
ロシア
アイスランド
デンマーク
スウェーデン
フィンランド
スペイン
バチカン市国
オーストラリア
メキシコ

残念ながら、まだ
ウクライナのピクトさんは確認されていない。
将来的には国連加盟国すべてのピクトさんを
コンプリートしてみたいものである。

ちなみに例として挙げた上のピクトさんは
アメリカ・サンディエゴのピクトさん。
ラホーヤという街の海岸には
野生のアザラシがたくさんいるのだそうだ。


■問4.
会長の内海が「ピクティスト宣言」に記した言葉
「つまらない○○など、この世にはない。
つまらない△△があるだけだ。」
の空欄に当てはまる言葉を選びなさい。
(○○/△△と表記する)



正解:(1)景色/見方

■解説:
ピクトさん鑑賞の楽しみとは詰まるところ、
「見立て」の楽しみに他ならない。
目の前にある現実(前景)の背後に
想像世界(後景)を見るという、
観賞の「能動性」こそがピクトさん学の神髄なのである。
「人物型のピクトグラムはいつも酷い目に遭っている」
という見立てを導入することにより、
突然、世界の見え方が変わってしまう。
いつもの見慣れたピクトグラムが、
急に「可哀想な人の図」に思えてくる。
「想像力は世界を変える」というのは、
そういう意味である。

ただし見立てにのめり込みすぎると
単なる妄想になってしまうので、
そこらへんのバランス感覚は大事にしていただきたい。

まあ、バランスをとっていても結局は
「ちょっと変わった人」と思われたりするわけだが。


■問5.
次のうち、「ピクトさんの父」
オットー・ノイラートの写真はどれでしょう。

1.  2.  3. 

正解:(1)

■解説:
オーストリアの教育学者・哲学者オットー・ノイラートは、
1925年に「アイソタイプ(ISOTYPE:International System of
Typographic Picture Education) 」を考案した。
子供にもわかりやすく、また言語の壁を越えて
理解可能であるようなシンボルを使って
教育や啓蒙を行うことを考えたのである。
これがのちにピクトグラムへと発展していく。
つまりノイラートこそは「ピクトさんの父」なのである。

ちなみに写真(2)は噛みつき攻撃で有名な
プロレスラー、フレッド・ブラッシーである。
「銀髪鬼」と呼ばれ、黎明期の日本プロレス界で
悪役レスラーとして活躍した。


ヤスリで歯を研ぐブラッシーさん。


写真(3)は80年代にテレビ放映されていた
ドラマ「ナイトライダー」の主役、
デビッド・ハッセルホフである。


ドリームカー、ナイト2000。

デビッド・ハッセルホフ。
つい口に出して言いたくなる名前だ。
そんな名前ってあるよね。
ジョン・フルシアンテ。
ジェニファー・ジェイソン・リー。
アイネ・クライネ・ナハトムジーク。


■問6.
「ピクティー」の使い方として
正しいものを次から選びなさい。

正解:(1)
「イテッ。今日2回も頭ぶつけちゃったよ。ピクティーな日だなあ」

■解説:
ピクティーとは「痛々しい」とか「酷い感じ」、
ひいては「ピクトさんっぽさ」を表す造語である。
「ピクトさんっぽさ」と言ってもよくわからないと思うが、
まあ各自、自己判断で適当に使っていってほしい。

ちなみに選択肢(2)は
「終電行っちゃったからピクティーで帰るわ」。
それはタクシーだ。
タクシーをピクティーと呼ぼうと
なんと呼ぼうと個人の自由だが、
ピクティストとしてはもう少し
ピクトさん寄りの使い方をしてほしい。

選択肢(3)は
「あ、君もピクティーに入ってるの?じゃあマイピクになってよ」。
それはミクシイだ。
日本ピクトさん学会がSNSを始めたら
「ピクティー」というサイト名になるかもしれないが、
今のところそういう予定はない。
当然「マイピク」という関係も存在しない。

しかしある意味、今これを読んでいる
あなたと私はマイピクである。
ピク友である。


■問7.
2004年10月に大阪のCommon Cafeで
「キョート*ダンメンロシュツ」「住宅都市整理公団」
「日本ピクトさん学会」の3サイトによるスライドトークショー
「DDP」が開催されましたが、
この時の入場料はいくらだったでしょう。



正解:(2)1000円

■解説:
懐かしい思い出である。
このイベントは「キョート*ダンメンロシュツ」の
吉永さんの呼びかけで実現した。
3サイトとも広い意味でのタイポロジー(類型学)を
実践しているという点で共通している。




当時のフライヤー。
私がつくった。
このイベントを見に行ったピクティストは
何人くらいいるのだろう。
それだけでピクティスト1級を与えてもいいくらいだ。


■問8.
下の絵は何に見えますか。



正解:(1)カバンの中のピクトさん

■解説:
この問題は「ピクトさん病」に
どのくらい冒されているかを調べるものである。
ピクトさん病に冒されている者は、
ピクトさんではないものもピクトさんに見えてしまう。
こうなればピクティストとしては一人前である。
普通に南京錠なんかに見えているようでは、まだまだ。

(3)の前方後円墳に見えた人は
それはそれで何かの才能があるのかもしれないが、
たぶんピクトさんの研究には役に立たない。

どうでもいいことだが前方後円墳という名称は
前部が四角形で後部が円形という意味だ。
なのによく見る写真では必ず前(上)が円形になっている。
ややこしい。
写真を逆から撮るか名前を後方前円墳に変えるか、
どちらかにしてほしいものである。


■問9.
日本ピクトさん学会のホームページの
トップページのソース内には、
メタタグで、あるメッセージが書かれています。
なんと書かれているでしょう。



正解:(1)こんなとこまで見てくれてありがとう。あなたの退屈な時間が、少しでも楽しくなりますように。

■解説:
実際にトップページへ行って
ソースを開いてみてほしい。
サイト開設時から、ずっとこの言葉が入っている。

これに気づいて
私にメールをしてきた方が
今までに1人だけいた。
かなりのピクティストである。


■問10.
Googleで「ピクトさん」を検索すると
一番上には「日本ピクトさん学会」が来ます。
二番目も「日本ピクトさん学会」です(エントランスページ)。
では、三番目には何のサイトが来るでしょう。
(2006年5月現在)



正解:(3)任天堂のホームページ

■解説:
私は2年数ヶ月前にこのサイトをつくった時、
Googleで「ピクトさん」と打って検索してみた。
1件もヒットしなかった。
当然である。私がつくった言葉なのだから。
しかし今「ピクトさん」をGoogleで検索すると、
約1万4000件のヒットがある。
だいぶ人口に膾炙してきたようだ。

任天堂のホームページ内にも普通に
「ピクトさん」という言葉が使われている。
任天堂の「PLAY-YAN micro」という
音楽再生プレイヤーのページである。

ピクトさんの秘密部屋

ピクトさんの名が広まって何よりだ。
最近「キューブ・ワールド」という商品が人気のようだが、
これも「ピクトさんワールド」という商品名にすれば
もう少し売上げが伸びるのではないか、と私は思っている。
「スティック・ピープル」とか「棒人間」などと言ってるようでは
ユーザーが感情移入できないではないか。

ニンテンドーDSとかで
ピクトさんのゲームが出ないものか。
次々と襲ってくる危険を避けながら
目的地へ向かうゲーム。
滑りやすい道!
つまずきそうな段差!
落下しそうな穴!
わりと地味な危険ばかりが襲ってくるゲーム。
タイトルはもちろん「ピクトさん危機一髪!」。

しかし面をクリアするにつれてだんだん
危険度もアップしていくという。
降りてくる電動シャッターの下を走り抜けたり。
自転車や自動車が行き来する道路を横断したり。
工事現場の横を通っている時に
ショベルカーが襲ってきたり。
ビルの火災から脱出したり。

ゲームをしながら、日常の中にある危険を
自然と学べる仕組みになっているのだ。
子供たちにもお勧めである。

・・・解説ページなのに、いつのまにか
ありもしないゲームについて語ってしまっていた。
そろそろ終わりにしよう。

ピクティスト諸氏のさらなる精進に期待している。