目撃場所/電話ボックス


電話ボックスの扉に足をはさむ・・・心配しすぎである。こんなものを研究していてよいのか、という根元的な問いが一瞬頭をよぎる。いくらなんでもこれはないだろう。わざとでも難しいのではないか。「1」の電話帳の上蓋に手をはさむというのもかなり現実離れしているが、ピクトさん登場の「2」はある意味奇跡である。こんなことが頻繁に起こるはずもないのだが、注意書きを読むと起こっても不思議ではないような気がしてくるのはなぜだろう。「退室時、扉下部に足をはさむ事があります」である。はさむ事があります。「退室時、扉下部に足をはさまないようお気をつけ下さい」などではなく、「はさむ事があります」。ああ、あるんだ、と思わず納得してしまいそうになる。あるわけないだろう。しかし絶対にないのか、と言われれば、こちらも断言はできない。このピクトさんはそのわずかな可能性を信じ、人から「心配しすぎだ」と言われることを承知で警告を発しているのだろう。涙ぐましい。


いつか起こり得ることは、今日もまた起こり得る。
モンテーニュ