こども禁止。気持ちいいくらいの全否定ぶりである。何歳までがこどもなのか、というような理屈っぽい反論には一切耳を貸さない、そんな強い意志を感じる。１８禁でもなければR１５でもない。そう、年齢の問題ではないのだ。このピクトグラムを見た者は皆、こどもとは何か、そして大人とは何か、という大いなる問いの前に立たされるだろう。私は今３２歳だが、「あなたは大人ですか」とあらためて問われると返答に窮する。自分が思い描く大人像から、自分自身がかけ離れているからである。キャスター付きのイスに座ると、ついコロコロ移動して遊んでしまう自分。我ながら情けない。冬に凍った水たまりを発見すると、確実に踏みに行く自分。我ながら情けない。ファブリーズを使う時、微妙にガンマンっぽい気持ちになっている自分。我ながら情けない。「こども禁止」。これは我々大人に対する、ピクトさんからのアイロニーに満ちたメッセージなのである。