目撃場所/公園の柵
(今回の目撃写真はミチオ様にいただきました)


危険な場所へ入っていくピクトさん。いつものような酷い目に遭っている目撃写真ではないが、ピクトさんの生き様をよく表した一枚であると言えよう。心理学者マズローが唱えた「人間の欲求五段階説」によれば、人間の欲求は五段階のピラミッド型になっており、下から生理的欲求、安全の欲求、親和の欲求、自我の欲求、自己実現の欲求の順に積み重なっている。マズローによれば、人間は生理的欲求や安全の欲求といった底辺部の「基本的欲求」が満たされて初めて、その上の段階の欲求が生じるのだという。ならばピクトさんは、この説を根底から覆す存在であると言える。第二段階の「安全の欲求」を拒否しているにも関わらず、最上部の「自己実現の欲求」を満たしてしまいかねないからである。マズローは米国心理学会の会長を務めたほどの人物であるが、同業者ならいざ知らず、まさか日本ピクトさん学会などというとぼけた学会に自分の説を否定されることがあろうとは夢にも思わなかったであろう。ピクトさん恐るべしである。


権威を引いて論ずる者は才能を用いるにあらず、
ただ記憶を用いるにすぎぬ。
レオナルド・ダ・ヴィンチ